前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第293回
21世紀のキーワード

8月4日のテレビでBMWのライプチヒ工場を見ました。
最新の機械設備の工場ですが、
それよりも工場の建物に目を奪われました。
デザインがすごいのです。
工場と言うより斬新な近代美術館かと思いました。
美術館というより、
美しい線を描くモダンアートそのものだったからです。

ドアというものがどこにも無い設計図を見て、
現場の人々は否定的な意見で首を振る人が多かったそうです。
それが、働きやすく、環境も景観も見事な工場に仕上がりました。
頭上遥かに自動車のボディが流れていき、
ロボットの長い腕が伸びてきて火花を散らします。
建物、設備、内部全体が美しくて、
機械の流れまで計算されているようです。
物を生産する場なのに、目で見て楽しめる美しさでした。

以上は私の感想にすぎませんが、
これがイラクの女性の設計したものと聞いて、私は感動しました。
このような成功が重なって、イラクや中東の人々に自信を与えます。
そんなに遠くない将来、神に頼ることなく、
対等に西側の人々と付き合えるようになるのではないか、
と感じたのでした。
自尊心が満たされると突っ張る必要がないのです。
信仰は信仰として、政治や生産活動は
世界のスタンダードへの仲間入りできる基盤が作られていきます。

アラブ人はユダヤ人に強い反感を持っていますが、
元はキリスト教と同じようにユダヤ教から発生した分家です。
そうなのですが異教徒として憎み合うほどに、
宗教も心も離れてしまいました。
アラブには、先進国になってしまった親戚に対する
近親憎悪のような感情もあるようです。
しかし、再び経済的に先進国の仲間入りする時代が来れば、
欧州の中世のような現状から抜け出すと期待されます。

貧しかった中国に続いて、インドという、
問題がありすぎてどうしようもないように見えた国が
ついにテイクオフしました。
中国、インドに続いて、
今、私達の目にどうしようもなく見えるアラブ諸国も、
何とかなるかもしれません。
科学技術など西欧より進んでいた時代もあるアラブ諸国ですが、
資源があるのがかえっていけないのかもしれません。
石油の無い頃は世界の先進国でした。
21世紀のキーワードはやはりイスラムでしょうか。


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2005年8月30日(火)

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