前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第311回
蟹味噌は浜辺で拾えます

先の冬は、カムチャッカからたくさんのタラバガニが、
はるばるデンマークの海までやって来たそうです。
非常に珍しいらしくて、エルニーニョ現象で水温が上がったので、
こちらにやってくる気になったそうです。
タラバガニはニュースでは
「海底にある物は全て食べ尽くす」
と、害虫みたいに紹介されていました。
魚でも海草でも何でも通る道にあるもは根こそぎに食べてしまう、
ということでした。
店先に大きなのが一匹売られているのを見ましたが、
売れたかどうか分りません。
やたらと大きくて、気持ち悪がられていたようでした。
私は食べたかったのですが、妻は「あれは新鮮ではないから」と、
反対されて実現しませんでした。

北欧の海のご馳走は鮭と海ザリガニです。
甲殻類では胴体の大きな蟹が売れれていますが、
一般に食べるのは爪だけで、
爪だけ取って売られていることが多いのでした。
この蟹は、レストランのメインディッシュになれる
ザリガニほどのご馳走ではありません。

私の友人一家が車でユトランドの漁村を通ると、
漁師さんが蟹を山積みにして働いているのが目に入りました。
見るとハサミを取って、胴体はその横に積んでいます。
友人は、魚屋で、蟹のハサミだけ売っているたを思い出しました。
車から飛び降りて近づくと、
「そっ、それ!」蟹好きの友人はどもったそうです。
「捨てるなら売ってください」漁師は一瞬怪訝な顔をしましたが、
ニコニコ笑って「お金はいらないけど何するの?」と尋ねました。

それから親子四人で夢中になって、
その場で蟹味噌をほじって食べたそうです。
この蟹には味噌はたいして付いていないのですが、
数が多いので沢山食べた気がしたそうです。
漁師さん達は珍しそうに笑って見ていましたが、
自分も試してみよう、という人はいなかったそうです。


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2005年10月7日(金)

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