前川正博さんはこうして
福祉の国で、国にたよらずに根をおろしました

第312回
金持ち父さん、貧乏父さん

デンマークにはクリスマスの歌はたくさんありますが
「クリスマスは長いよ。お金がたくさんかかるんだよ」
で、終る子供の歌を聴いた時には驚きました。
子供の夢もへったくれもない歌です。

今でも歌われている古い童謡の中には、
この手のものがたくさんあります。
パン屋の歌で、色々おいしそうな菓子パンが出てきた最後に
「・・・お金をもってたら買えますよ。
お金がなければ帰んなさい!」
と、いう歌もあります。

「金持ち父さん、貧乏父さん」の歌も昔からあります。

「サンちゃんの父さんお金持ち
牝牛や仔牛を持っていて
金の刺繍のベスト着て
長靴下もかっこいい

僕の父さん貧乏で
牝牛もお金も持ってない
貧乏父さん貧乏で
穿いているのは靴下だ

僕はサンちゃんじゃ無いんだよ
僕はサンちゃんじゃないんだよ・・・」

このように、教育で矯正されていない、
粗野で自然な子供の世界を、身も蓋も無く歌っています。
これらが総てではありませんが、
このように現実が一部むき出しの教育環境で、
デンマークの子供達は大人になってきました。

テレビの子供番組で、
ファンタジーに満ちた外国の映画を放映することがあります。
すると、終わりに番組のおねえさんが出てきて
「でも、これはただの童話なのですよ」
と、子供に念を押したりしています。
デンマークの子供達は大変子供らしいのですが、
「夢見る子供」は、
デンマークでは健全な子供のイメージではありません。


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2005年10月10日(月)

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