まず第一に、スーパーだと大量仕入れ大量販売が可能だから、街の小さな商店より安く売ることができる。第二に、品揃えが豊富だから一カ所で買物がすんでしまう。第三に、店がきれいだから買物を楽しむことができる。第四に、店員がつきまとわないから気楽に選択ができる。といったメリットがあり、まず大都市で商店街の商売を奪い、続いて地方都市や町村で小規模の商売をとるようになった。
地方都市の商店街に行くと、大スーパーの進出に対して反対運動を展開しているところがあり、そういう人たちはいまなお、「大資本の進出絶対反対」と叫んでいる。しかし、大資本と呼ばれるこれらのスーパーは、二十五年前はただの小売店にすぎなかったのだから、大型店と呼ぶより、合理化に成功した小売店と呼ぶべきであろう。
そういう消費者心理に投じた小売店に対して、旧態依然の経営をしている小売屋がいくら集まって反対しても、時代の流れを大きく変える結果にはならないであろう。
わけても、「大規模小売店舗法」を成立させたことは、やがて地方都市の小売店を破壊させることになる心配がある。というのは、この二十五年間に大スーパーが食うべき小売屋はほとんど食いつくしてしまった。あとはスーパー同士のシェア争いというところまできてしまっている。
これは実はしんどい争いであって、お金がかかる割合に成果はあまりあがらない。むしろ赤字覚悟の進出を強いられる出店競争になることが多い。そうしたところへ大型店規制法が出れば、ダイエーやイトーヨーカ堂も西友も、お互いにこれ以上の出血競争をする必要がなくなるから、内心、ホッとしたというのが本音ではあるまいか。口では、自由競争の規制は流通業界の合理化に悪影響をあたえるといって反対しているが、どのスーパーの経営者も内心、これで助かったと思っているに違いないのである。
しかし、これで地方の人口が一万、二万の町村の小売店が助かったということにはならない。いままで消費人口が少なかったために大型スーパーがまたいで通って行ったところがある。これらの町村の商工会員が大型店の進出に恐怖心を感じて成立させたのが、大型店規制法であるが、もともとこうした人□の少ない地域には大型店などできっこないのである。
これらの地域にスーパーを進出させないためには、大型店を規制するよりも、大型店は「三〇〇〇平米以下の小規模店をつくってはいけない」と規制するのが本筋であろう。実際には一五〇〇平米から、さらにきびしく五〇〇平米以上の店をつくる場合は、商調協の承認を必要とするといった規制になったから、大型スーパーが別会社をつくって五〇〇平米以下の小型スーパーを田舎の町に展開することは、少しもさしつかえないことになったのである。
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