ジタバタすると傷が深くなる
こうなると、これは財務の相談というよりは、その領域をこえてしまって、もはや人生相談の領分であろう。いくらバイオリズムが支配しているといっても、「天は自ら助くる者を助く」と信ずる者にとっては、何とかして挽回の方法はないかと焦るから、やれ、株で一山あてようか、でなければ、女房にプラモデル屋でもやってもらおうか、とあらぬことを考える。しかし、そういうときに考えることは、ふつうの人にとってはまともなことであっても、本人にとっては異常心理で行動することであるから、すべて常軌を逸している。
「ですから、こういう下降運のときは、何もしないで骨休めをするのが一番よい方法ですよ」
と私は忠告をした。
「ハダカになった上に何もやらなかったら、餓死をするとお考えになるでしょう。でもジタバタすると、ジタバタした分だけ傷が深くなるということもあるのですよ。ですから、まず株は手じまいをして、五〇〇万円なら五〇〇万円を手元に残す。それだけあれば一年間親子四人で何とか暮らして行けるでしょう。あとは全部、債権者の前に出して謝ってしまうのです。保証協会にも怒られるでしょうし、親戚にも愛想をつかされるでしょう。でも仕方がないことですから、どんなに侮辱されても、すまないすまない、で押し通すことです。
債権者というものは面白いもので、まずこちらにまだ搾れるものが残っている間は、あらゆる手段を使ってでも吐き出させようとします。しかし何もないとわかれば、まさか皮まで剥いでというわけにも行きませんから、そのうちにあきらめます。
第二に、あきらめるまでに一定の時間がかかりますが、その時間が経過してしまうと潮がひいたようにもう同じことで押しかけてくるようなことはなくなります。無いものをとりかえすよりも、新しく稼いだほうが早いと思うようになるからです」
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