小さなスキマから大事業へ
私の観察では一昔に比べて競争は確かに激しくなったけれども、チャンスが少なくなったとは必ずしもいえない。一見チャンスが少なくなったように見えるのは、定位置にいて同じ視点から物を見ているからであって、たとえばすでに人がやっているのと同じ商売をやれば、金のかかるわりにたいして儲からないだろうし、また同じ商売なら昔に比べて今のほうが儲からなくなっている。
しかし世の中というものは、一つの商売が飽和点に達すると必ずまた次の新しい商売の可能性が出てくる。新しい変化は必ず新しいスキマを生じ、そのスキマを埋める商売がまた生まれてくるのである。
たとえばロボットが採用され、生産の自動化が進めば工場で働く人は少なくなる。工場で働く時間も短くなる。何が何でも量をつくればよいわけではなく、売れるだけつくればよいのだから、もし必要量を週のうち三日間でつくることができれば、工場は三日だけ動かせればよいことになる。するとあとの三日間はやることがなくなるから、この三日間をどうすごすかが問題になる。それは遊びにふりあてられるかもしれないし、勉強にふりあてられるかもしれない。外国旅行に使われることもあり得るし、アルバイトで埋められてしまうこともある。
いずれにしても一人か二人の三日間ならたいしたことはないが、何百万人、何千万人の三日間といえば、この三日間を充たすための新しい需要が新しい産業の発展を促すことは目に見えている。
←前ページへ 次ページへ→

目次へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ