第27回
昼食を食べるヒマもない多忙な顧問業

私は週刊誌に株式投資の文章を書いて株価に
大きな影響をあたえたので、
それがきっかけになって、
多くの上場会社の社長さんたちと知り合いになりました。

私が注目した会社が大きく発展するかどうかは経営者が
どんな人かということとかかわりがあります。
そう思ったので、工場の見学に行くと同時に、
社長さんにも会いに行きました。

私は行動半径が広く、
よけいなことを色々とききかじっているので、
どの社長さんも邱さんと
話をしているとヒントになることが
たくさんあると言ってくれました。
同業者のやっていることよりも、
異業種で起っていることの方が役に立つそうです。
邱センセイはそういうことに精通しているから、
うちの顧問をやってくれませんか、と
頼まれた会社も1社や2社ではありませんでした。

顧問って何をやるのですかときいたら、
月に1ぺん、食事の相手をしてくれるだけでいいんです。
センセイがおいでいただいてもいいし、
私の方がでかけてもかまいません。
席は私の方で設けますから、と
おっしゃいます。

そんなことならできないこともないので、
新しく建てたビルにオフィスをひらいた時に
あちこちの社長さんに声をかけたら、
30社ほど集まりました。
会社の大小によって月に10万円と5万円の
顧問料をもらうことにしたら
両方あわせて月収200万ほどになりました。
いまから40年も前の、サラリーマンの月収が
20000円か、30000円くらいの時でしたから、
ちょっとした収入ですよね。

用事があれば向こうから出向いてもらうことにして、
こちらから積極的には出かけて行かないのですから、
気楽な商売だと思ったのですが、それがとんでもない
見込み違いであったことがわかりました。
高度成長期の社長さんたちはみな企業欲に燃えた
野心家揃いでしたから、私のオフィスはいつもいつも
押すな押すなの盛況でした。

昼食時になっても上場会社の社長さんを待たせておいて
自分だけ昼食をとりに行くことはできません、
私のアドバイスがどんなに役に立つかどうかは
別として、昼食をとるヒマもないほど
忙しい商売がしばらく続きました。





←前回記事へ 2000年4月5日(水) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ