第73回
日本語を教えながら中国語を学ぶ

私は18年前から台北で
永漢日語という日本語学校をやっています。
学生が常時、2千人くらいいて、
いままでにうちの学校で勉強した人が
10万人くらいはいると思います。
いま日本に留学に来る台湾の学生で
片言の日本語を喋る人は大抵が
うちの学校で勉強したことのある人だと思えば
間違いないでしょう。

どうして私が日本語学校をつくったかというと、
人と人の交流で一番障害になるのが言語だからです。
外国に行って言葉さえわかれば
こんなもどかしい思いをしないですむのにと
思うことがしばしばあります。
私の青春時代は日本語で教育を受けたので、
日本語には不自由しませんが、
戦後に台湾で育った人たちは
台湾語と北京語はできても、
日本語はできません。
このまま時間が経過してしまうと、
日本と台湾の間はだんだん疎遠になります。
いまの台湾の若者たちは
アメリカを留学先に選びますから、
英語はできても、日本語が通じなくなります。
すぐお隣りだというのに、英語を共通語にするのは
ちょっと情けないですよね。

そこで台湾に来ている日本人に
日本語の先生になってもらい、
台湾の若い人に教えてもらうことにしました。
日本語ができるからといって
誰でも日本語の教師がつとまるわけではありませんが、
教える要領を覚えると、
たちまち人気のある先生になれるものです。
まだ20代で、長髪だったり、ピアスをしたりしていても、
日本語が喋れないことはありませんから、
物おじしなくなればもうしめたものです。

それに中国人に日本語を教えることは
自分が中国語を覚える絶好のチャンスでもあります。
実際に北京語を勉強するために台湾に来た若い人で、
アルバイトとして日本語を教えたら、
家から仕送りをしてもらわなくても
すむようにようになった人もあります。
日本語を教えながら、中国語の勉強をするのは
いいアイディアと思いませんか。
もう台北の先生は足りていますが、
上海と北京はこれからはじまるところです。





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