第78回
自分の生まれた町では成功できません

どこの町に行っても、その町で一番成功している人は
その町の出身者ではありません。
よその町から来た人か、よその県からやってきた人です。

どうしてか知っていますか。
自分の生まれた町は子供の時からよく知っていて、
頭の中が固定観念でいっぱいになっているからです。
商店街の町並みにしても、そば屋のお隣りは洋品屋で、
そのまたお隣りは美容院だということまで
頭の中にインプットされています。

誰がどんな商売を手がけて失敗したか、
あの角から三番目の店はよほど方角が悪いと見えて、
どんな商売をしてもすぐ駄目になって
代がわりをくりかえてしているということを
町中で知らない人はありません。

こうなると、人間は身動きができなくなってしまうのです。
たとえば町の若い衆が
東京のニュービジネスの講習会に行ったとします。
30何年前の日本で一番有望なニュービジネスは
スーパーマーケットでした。
田舎に帰ってぜひあれをやりたいと思っても、
自分の町でやることはできません。
スーパーの商売は町の商店街の商売を
ごっそりとってしまうような性質の商売ですから、
もし自分がスーパーをひらいたら
あいつとは喧嘩になってしまう、
あいつからはもう口をきいてもらえなくなると、
ふだん仲良くつきあっている仲間の顔が浮かんできます。
オヤジから家業も受け継いで
メシが食えないわけでもないのに、
何も仲間割れをしてまでやることはないや、と
結局はやめてしまいます。

どうしてもやりたいと野望に燃えた人は
どこに行ってその夢を実現するかというと、
隣りの町か、隣りの県ということになります。
知らない町なら、町中を向うにまわして
お客のとりあいをしてもいいですよね。
よそ者なら人間的なしがらみもないし、
町のどこにスキマがあるかもよく見えますから、
一旗あげて成功を勝ちとることができます。

さて、これで皆さん、町で一番の成功者が
その町の人でない理由がおわかりになったでしょう。
成功したかったら、自分の町から出て行くことです。





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