第90回
もしもしQさんでスパイの識別

言葉がその国の文化と如何に深くかかわりあっているか、
お考えになったことがありますか。

たとえば、このホームページのタイトルは
「もしもしQさんQさんよ」ですが、
もともとは糸井重里さんが私に遠慮して、
「教えてQさん」と提案してくれました。
それでは私が人生の達人みたいに威張って見えるし、
だいいち一ぺんで覚えてもらえません。
私のインターネットは、日本でも台湾でも大陸でも
9393で登録してあるので、
「もしもしQさんQさんよでどうですか、
これなら一ぺんで覚えてもらえると思いますが・・・」
と逆提案したのです。

私のタイトルにはじめて接した人は
誰でも思わずニヤリとします。
すぐにも「もしもし亀よ、亀さんよ」を
もじったものであることがわかるからです。
それはほとんどの日本人が子供の頃に、
ウサギとカメの童話をきかされ
「もしもし亀よ」の童謡を口吟んだことがあるからです。

ところが、うちの日本語学校の日本語の先生でも、
台湾人や中国人の先生はニコリともしません。
日本人でない日本語の先生は
「もしもし亀よ」で育っておらず、
ア行変格とか、サ行変格とか、
日本人にもわからない難解な文法から入って覚えた
日本語だからです。
「もしもし亀よ」を連想する
生活環境に育っていないのです。

このことから、「もしもしQさんQさんよ」を見せても
ニコリともしない人の日本語は
オトナになってから覚えた日本語であることが
一ぺんにわかってしまいます。
「スパイの識別に使えますね」と
冗談半分に言われたことがありますが、
たったこれだけのことで
その国の文化の中で育ったかどうかの
区別がついてしまうのです。

言葉がその国の文化を如何に反映するものか、
おわかりいただけるでしょう。
ふだん何気なく使っている言葉ですから
気がつかないかも知れませんが、
その国の文化が色濃く反映されているものです。





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