第170回
日本人はこんなに幸せなんですよ

日本人は自分たちが考えるよりも
ずっと幸せな立場におかれています。
夏休みとか、正月休みに、
ニューヨークとかパリのホテルで朝食をとっていると、
日本人の若いお嬢さんたちをよく見かけます。
オフィスで働いているOLが
友達を誘いあわせて
バケーションで遊びに来ているのでしょう。
ボーナスを崩しただけで地球の反対側まで
物見遊山の旅行に出かけられるようなOLは
世界中どこにも見当たりません。
いまの若い人たちは
こうした道をひらいてくれた父や母に
感謝して然るべきだと思います。

バブルの頃の日本を知っている人たちから見たら、
この10年間の日本は苦しい10年でしたが、
アジアのほかの国々の人から見ると、
それは何かの間違いではないかと思いたくなる出来事です。
だってこの10年間も日本は間断なく物をつくり続け、
年々、莫大な外貨を稼ぎ続けてきたのですから。

物が思うように売れないために、
生産は頭打ちになったかも知れませんが、
サービス業がその目減り分を補えば、
マイナス成長なんか気にすることはありません。
稼いだ外貨が山のようにありますから、
世界中の元首がそのお金欲しさに東京詣でをやります。
そういう人たちに大盤振舞した上に、
威張られたのでは割に合いませんが、
もう少し有効な使われ方をされるように
工夫する余地はあるでしょうね。

グローバル化が進んでいるので、
日本国内にあった生産基地が
次々と海外に引越しをはじます。
一頃は国内が空洞化すると言って騒ぎましたが、
工場の大半が世界中に分散されても、
それらの工場で使われる生産設備と
日本でしか生産できないパーツを供給するだけで
日本人はメシのタネに困らない筈です。
でも一番役に立つ日本からの輸出品は
多分、物づくりに情熱を傾ける「職人気質」でしょうね。
そういうことについて書いたのが
私の近著「哲学が変わった」です。
いまの日本のおかれた立場を理解するのに役立ちます。


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