第181回
上海取引所が世界一のカジノになる

上海と深に証券取引所ができて10年たちました。
共産体制下の株の売買ではどうなるかと按じましたが、
順調に育って一昨年には上海の証券取引所が
浦東の金融センターに新しく建てたビルに引越し、
クリントン大統領が上海を訪れた時も
見学に行きました。

東京や大阪に比べると、
ずっと遅れてつくられた取引所ですが、
遅れてできた分だけ設備も新しく、
取引の仕組みもずっと近代的で、
広いホールに何百台というコンピュータが並んでいるだけで、
サイトリをやる人などどこにも見当たりません。
ついでに申せば
株の取引はすべてコンピュータで記録されるので、
日本のように株券をいちいち引き渡すこともなく、
すべてコンピュータの中で行ったり来たりするだけです。
株券の引き渡しがないのですから、
株券を紛失する心配もないし、
株券の偽造ということも起りようがありません。

たまたま私のビルの方が一足先に完成しましたので、
私の部屋の窓のブラインドをあげると、
上海取引所のできあがって行くのがよく見えました。
きっとこの取引所が、
将来は世界で一番大きなバクチ場になるだろうと
その時、私は思いました。

みなさんはご存知ないかも知れませんが、
中国人は日本人より遥かに勝負好きの国民です。
根が商人気質ですから、投機はお手の物なんです。
ところが、バクチはご法度で、
マージャンでさえ自分たちの家の中で
人目をしのんでやらなければならないくらいですから、
マカオのようなカジノもありませんし、
香港のような競馬場もありません。
そこに証券取引所ができて、
公然と相場を張ることができるようになったのですから、
この建物がカジノの役割をはたすようになるだろうと
確信したのです。

はたして新証券取引所は
その立派な建物に恥じない繁栄を続けています。
株価平均2千点を突破したのは7月のことでした。
WTOに正式に参加したら、
そのうちに外国資本がドッと入り込む時が来るでしょう。


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