第182回
中国株にA株とB株があるわけ

中国がWTOに加盟したら、
外国資本が上海証券取引所に
入って来るだろうと言いましたが、
いまでも既に上場株の一部分が
外国資本に開放されています。

上海、深の2つの取引所とも、
上場株が2つに分かれていて、A株とB株があります。
A株は1株額面が人民元の1元で、
人民元で取引されています。
中国人しか参加できません。
B株は外貨建てになっていて、いずれも額面は
人民元1元で、株主の権利もA株と同じですが、
上海B株は米ドルで、深B株は香港ドルで
取引されています。

どうしてB株ができたかというと、
取引所が派生した頃、
上場企業のなかには設備や技術導入のために
外貨を欲しがる会社があったからです。
上場した株を外国人に買ってもらえば
払い込んでもらった外貨で、
最新の機械や設備などを手に入れることができました。
そこで、その必要を感じていた会社は
A株とB株と同時に発行したところもあれば、
たまにB株だけ発行したところもあります。
またB株の代わりに香港市場に
H株を上場した企業もあります。

同じ額面で配当も同じですから、
最初の頃は株価の水準も同じでしたが、
歳月がたつうちに
A株とB株の株価がだんだんひらいて、
遂にA株に比べてB株が3分の1から
ひどいのになると10分の1の値段になってしまいました。
中国人は人民元しか持っていないし、
人民元で買えるのはA株しかありませんが、
香港人、台湾人を含む外国人は
ほかに投資の選択肢がいくらでもあります。

そういう人の目から見ると、
中国の経済は不安定だし、
信頼感に欠けるところがあります。
国際的に通用する会計制度を
採用していない企業もあって、
作為のあとが見られるものも少なくありません。
そのために人気を失ってA株に比べると、
バカみたいに安い値段になってしまったのです。
このひらきをどう見るかによって
買いか売りか意見がわかれてしまうのです。


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