第185回
崖っぷちに立っているのはどちら?

日本の新聞雑誌を見ていると、
中国のことを悪様に書いた文章が多いですね。
この間も香港で日本の新聞をひらいたら
「崖っぷち、中国の政治・経済体制」
という広告が出ていました。
書いたご本人は本当に自分の目で
中国を見ているんでしょうかね。
それともその中で生活をしてみて、
崖っぷちに立っている実感を
持つようになったのでしょうかね。

私は毎月、中国大陸に行ってその中で生活しているので、
中国のいいところより悪いところが目につきます。
政治の後進性とか、役人のたかりの実態とか、
汚職のひどさなどこんなことで
どうやって先進国の仲間入りができるのだろうと
首をかしげることも多々あります。
でもそんなことくらいで国は滅びないんです。
ずっとそういう状態を何千年も続けてきたんですから。
そういうことよりも、いまの中国は
工業化によって年々着実に所得水準が上がり、
飢死をする心配もなくなり、
また政府の高官の悪口を言っても
牢獄に入れられなくなりました。
こんないい時代は歴史はじまって以来はじめてだと
大半の人たちが思っているのです。
ですから戦乱も起りっこないし、
かげでブツブツ言っても面と向って
政府のお偉方を批判する人も少ないんです。

それでももっと豊かになったら、
政府のやり方に不満を覚える人がふえることは
間違いありません。
その時になっても政府が変わらなかったら、
新しい政治家が古い政治家と
入れ代わることになるでしょう。
入れ代わる余地が残っている分だけ
中国はまだましなんです。

それに比べると、日本はどうでしょう。
日本の経済環境はドンドン変わっているのに、
政治家も政治も梃子でも動かないのです。
どう変わったらいいのかもわかっていないのです。
みんな焦っていますが、焦っているばかりで
手も足も出ません。
崖っぷちに立っているのは本当はどちらなんでしょうね。
人のことなんか言っておられないですよ、
とてもじゃないけれど。


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