第186回
ITの本当の意味知っていますか

この頃、ITという字をよく見かけるようになりましたね。
ITって何のことか知っていますかときいたら、
逆に変な顔をされたことがあります。
「手取川」とは縁があっても、
「ウィンドウズ」や「マッキントッシュ」とは
かかわりのなさそうな総理大臣までが、
ITを口にする時代ですから。
僕のことをなめるなといった表情です。

「ITとはインドとタイワンのことですよ」と私が言うと、
鹿爪らしい顔していた相手も
ドッと吹き出してしまいます。
コンピューターの知識を多少でも持った人なら、
印度人と台湾人がコンピューターと最もかかわりがあり、
かつ傑出した技術者がたくさんいることを
知っているからです。

アメリカのコンピューターの会社に行きますと、
どこにも台湾の技術者がうようよしています。
もしその会社から台湾出身者を追放したら、
会社が成り立たなくなるのではないかと思うほど
台湾の人が働いているのです。
どうしてそういうことになったかというと、
この四半世紀、いつ大陸本土の共産軍から
攻撃を受けるかわからないと心配した台湾の親たちが
子供たちをアメリカに留学に出すに際して
卒業してからも
台湾に帰ってくるなと言い含めたからです。

卒業後もアメリカに滞在できるためには
エンジニアになるよりほかありません。
ちょうどコンピューターの勃興期だったので、
台湾からアメリカに留学した何万人、何十万人という
青年のほとんどがコンピューターの勉強をしたのです。
卒業すると彼等はアメリカにとどまり、
コンピューターの会社に就職しました。

そのおびただしい人数を知っていましたから、
或る時富士通の社長をしていた山本卓眞さんに
「コンピューターにアジア人は
向いているんじゃないですか」
ときいたことがあります。
「アメリカのコンピューター・メーカーの社長にも
そう言われたことがありますよ。
オリエンタル・ぺイシエンス(東洋的忍耐力)に
向いているって」
と山本さんも賛成していました。


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