第190回
李登輝対談を読んで見て下さい

大陸で働いている台湾人が20万人もいます。
それらの人々の身内や影響力の及ぶ人は
少なくとも100万人はいるでしょう。
だから在住台湾人に働きかけたら、
台湾の総統選挙を左右することだってできるだろうと
北京の政府は考えたようです。

ところが、この3月18日の台湾の選挙では
大陸の最も歓迎しない民進党の陳水扁さんが
最高票で当選してしまいました。
予期に反して大陸からわざわざ投票に帰台した台湾人も
65%が陳水扁に票を入れたそうです。
その意外さに大陸側は頭を抱え込みましたが、
台湾の世論に対して
どこかで大きく間違ってしまっているのでしょうね。
これだけ間違えたら反省してしかるべきですが、
反省するどころか、相手が悪いとなじるところが
中国人の面白いところですね。

野党出身の総統が誕生したので、
台湾では5月になると
政権の移譲が平和裡に行われました。
中国では党国と言って政党と国が1つになっているので、
党の失脚は亡国を意味し
血を流さずに政権が変わった歴史はありません。
台湾という一角で起ったことですが、
それをはじめて実現したのが
12年間、中華民国の総統をつとめた李登輝さんです。
李登輝さんのやったことは中国の歴史に残る快挙だと
私は思っています。

そこでその功績を記念するためにも、
また広く日本の人たちに知ってもらうためにもと思って、
10月号の中央公論で、李登輝さんと対談をしました。
李登輝さんは台北高校時代の私の同窓ですが、
この対談のために総統退任後、
新しく移った桃園県の大渓ゴルフ場の中にある
新居までお訪ねしました。
総統になってどんなことで苦労したかという内輪話まで
3時間にわたって談論風発でした。
中央公論なんて難しい雑誌は
ひらいたこともないかも知れませんが、
本屋の店頭で只読みするには
ちょっと長すぎるかも知れませんね。
日本のいまの政治家と比べて見ると
また新しい感想があると思います。


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