第198回
子供にゼイタクを覚えさせる家族旅行

日本の飲食業は社用族向けが多く、
ファミリー・レストランができたのは
ずっとあとになってからのことです。
海外旅行もビジネスで出かける人が多く、
夫婦で行くとか、家族旅行で行くのは
ほとんどありませんでした。

海外の1人旅は心細いということもありますが、
私は最初から家内を連れて行きました。
しばらくすると、子供たちも連れて行くようになりました。
どうして家族旅行をするようになったかというと、
家族で一緒に旅行などというのは
子供が親がかりである間だけで、
それぞれ仕事を持ったり、
世帯を持ったりするようになると、
もう子供が全部揃うことはないだろうと思ったからです。
ですから、まだ大学生だった頃の子供たちを連れて
よく旅行に出かけました。
いまになって見ると、それは正解でした。

私はホテル代をケチらないたちなので、
パリでは、かつて昭和天皇も泊まったという
クリオンというホテルに3部屋続きで予約をしました。
その頃は子供連れで旅行するアジアの人は
少なかったのでしょう。
部屋に入るとすぐフロントから電話がかかって、
「ホテル代がいくらかご存じですか」と念を押された。
「ハア?どうかしましたか?」とききかえして、
向うの言い分をきいたら、
私が予想していた値段だったので、
「それでいいですよ」と答えたら、
「あなたはお金持ちさんなんですね」
と妙に感心されたことがありました。
もしかしたら、アラビアのロイヤル・ファミリーでないと
払えないお金と思われたのかも知れませんね。

私が子供たちをゼイタクな旅行に連れて行ったのは、
ゼイタクとは何であるかを覚えさせるためでした。
どこの家庭でも子供の浪費癖をおそれて
倹約ばかり教え込もうとします。
倹約はお金がなければしぜんに覚えるものですが、
ゼイタクの限界を知るチャンスはなかなかないものです。
それを実地に学習すれば、
自分はどういう生活をすればよいか、
自分なりに選択できるようになるだろうという
親心からでした。


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