第225回
対米貿易摩擦は中国が日本と肩を並べる

いま中国で何が起っているかご存知ですか。
日本の新聞雑誌を見ると、
中国の暗いところや不安定な面だけが報道されていて、
どうなることやらと不安な気持ちになりますが、
中国の大半の人々は歴史上かつてなかった
1番いい時代になったと思っているのです。

もちろん、日本のジャーナリズムが指摘しているような
間尺に合わないところはたくさんあります。
でも15億人が飢え死にすることはなくなりましたし、
中国共産党のトップの悪口を言っても、
その耳に直接きこえさえしなければ
牢屋に入れられることもなくなりました。
国営事業が潰れかかって
失業の憂目を見ている人がたくさんおりますが、
夫婦共稼ぎですから、
2人のうち1人が失業しても住む家はあるし、
とりあえずメシにも困りません。
新しい就職先を探すか、
脱サラして自営の道をひらけばいいのです。

小平の改革開放政策がスタートして8年たちましたが、
工業化がすすんで工業製品の輸出がふえ、
前にも述べたように何とことしの前半期だけで
輸出が前年比36%もふえたのです。
こんなことはよその国でも滅多に起らないことですが、
それが中国で起ったということは、
中国の工業化がほかに類例を見ないようなスピードで
起っているということです。
もちろん、そのかげには台湾に対する貿易赤字が
ことし上半期だけで90億ドルにものぼるという
アンバランスも起っています。
恐らく全年通じて200億ドルに達するでしょうから、
中台間の調節がどうしても必要になるでしょう。
それをさしひいてもことし1年の中国の貿易黒字は、
石油の輸入国にもなったし、
素材、設備の輸入もふえていますが、
恐らく3百億ドルをこえることになるでしょう。
この数字は工業化の進行と共に
ふえることはあっても減る方向にないので、
年と共にやがて日本に追いつくことが考えられます。

すると、貿易摩擦でアメリカともめるのは
日本だけでなくなり、日本と中国が
同じカゴを担ぐようになることが考えられます。
中国の経済は大へんな勢いで上向いているのです。


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