第229回
日本人は味方をつれて行け

いま中国で成功している日本の進出企業も
はじめから成功できたわけではありません。
直接、中国大陸に進出してさんざ失敗をくりかえした上で
漸く成功に辿りついた企業もありますが、
大抵は台湾か香港で1回実験をして自信をつけた企業が
同じパートナーを連れて大陸に進出して
うまく行っていることが多いようです。

マブチ・モーターズにしても、船井電機にしても、
またミツミ電機やユニデンにしても、
みな台湾で工場を運営した経験を持っています。
香港が商業都市であるのに対して、
台湾は工業の基礎があるので、
台湾を練兵場にして予行演習をした会社が結構多いですね。
台湾の人たちは、
大陸の中国人と少し生い立ちが違いますが、
中国人の末裔であることに間違いはありませんから、
会社に忠誠心がなくて仕事を覚えるとすぐ会社を辞めたり、
会社のお金を扱うにあたって
ピンハネをしたりすることがありますが、
教育をするとそれを食い止めることができます。

中国大陸に行くと、それがもっと大っぴらに行われ、
うまく防ぎきれないと
会社が成り立たなくなってしまいます。
その点、台湾の人は自分たちが昔やったことがあり、
どんなやり方をするかもわかっていますから、
ドロボー上がりの警察官のようなものです。
ですから台湾のパートナーを連れて
大陸進出をした日本企業は
無駄なことをくりかえさないですみ、
何万人という工員の使い方を
台湾から連れてきた課長や係長に委ねても
労働争議を起さないですんでいます。

台湾のパートナーを
共同経営者として連れて行かない日本企業でも、
台湾で成功した経験を大陸で生かすと、
大きな怪我をしないですみます。
日本人と中国人の間に立った台湾の人たちは
日本人の気心も中国人の気心もよく心得ていますから、
自動車のショック・アブゾーバーの役割を
はたしてくれます。
そういった意味では
かつて台湾に進出したことのある企業の方が
大陸へ進出して成功する確率が高いですね。
台湾の人たちは日本人の味方をしてくれますから。


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