第255回
メシの食える経済学も時代と共に変わる

『メシの食える経済学』を一度、
自家薬籠中のものにしたら、
もう一生はご安泰だと思ってはいけません。
富山の薬売りだって、
売るクスリの中身を変えて行かなければ、
誰も相手にしてくれなくなるのです。

「小金だからと言ってバカにしてはいけません。」
「10万石も1粒1粒の米を集めて10万米になるのです。」
といった貯蓄の原理は
どんな時代になっても変わりありませんが、
少し貯まったお金を、どうやってふやすか、
またどう使えばよいのかということになると、
時代によっても、年齢によっても、
またその人の考え方によっても、
それぞれ違ってきます。
好きなように使えばよいじゃないかといえば
それまでですが、何を目的として生き、
何を目標として生きているかによって、
当然、手の打ち方も違ってきます。

たとえば高度成長が続いていた間、
日本の土地は10年に10倍も、あるいはそれ以上も上がり、
物価も倍以上も上がりました。
幸にしてサラリーが倍になれば、
物価には何とか追いつきますが、
土地の値上がりにはとても追いつきません。
お金は10年たっても1万円は1万円ですから、
地価や物価が上がれば、
それから逆算した分だけ実質価値は
値下がりしたことになります。
銀行に定期預金をして年6%金利を複利でもらったとしても
(いまはそれから更に20%の源泉税を徴集されますが、
 仮にそれがなかったとしても)
10年で、1.791倍にしかなりません。
預金をして金利を稼いでも、地価はもとよりのこと、
物価の値上がりにさせ追いつかなかったのです。

ですからそういう時代のお金のふやし方は
お金の目減り分は他人に転嫁し、
お金のふえ方は自分が享受するようにすれば
よかったのです。
銀行からお金を借りて不動産に投資した人が
1番儲かったのはこの原理によるものです。
でもこの原理すらひっくりかえってしまったのです。
バカの1つ覚えでやっていると、
大へんなことになってしまいます。


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