第271回
運のよい人には敵いませんね

目先のことしか考えない人は
いま世間が一流会社と思っている会社を
一流会社として受け入れてしまいます。
同じ就職をするならそういう一流会社を目指そうとします。

でもそういう会社だって
10年前、20年前に一流会社でなかったかも知れないし、
10年後、20年後は一流会社でなくなっているかも知れません。
毎年、就職シーズンになると
若者に人気のある就職先のリストが発表されますが、
あれを見るといまどんな会社が
一流企業と見なされているかがわかりますが、
それは人気の絶頂にあるという意味であって
将来も一流会社という意味ではありません。
入社したばかりの頃は一流会社だとしても、
次第に斜陽化するとなれば、
本人が重役コースに辿りついた頃には
どうなっているかわかりませんから
一番悪い選択をしたことになります。

もう少し流動的に物を考えるなら、
いま一流会社と目されている会社を選ぶより、
いまは小さいが入社後、会社が次第に成長して
自分が課長、部長、平取に昇進するにつれて
一流会社になって行く会社を選ぶに限ります。
そういう会社はダーク・ホースみたいなものですから、
馬券の買手も少なく当たれば分け前が大きくなります。
東大出なんか来ませんから、
人材が少なく出世する確率も高いのです。

でもどんな会社がそうなるかときかれたら
私だって返事に窮してしまいます。
戦後すぐの頃は銀行は高い評価を受けていましたが、
証券会社は株屋株屋とバカにされて
新卒たちから見限られていました。
新入社員を募集しても人が集まらなかったので、
公職から追放された元軍人たちが拾われて
辛うじてメシにありつきました。
その後、高度成長がはじまって、
証券会社が信じられないほど
スケールの大きな企業に成長しました。
世捨人が証券会社に拾われたのが
いつの間にか陽の当たる場所になったのですから、
こんなラッキーな話はありません。
では本人たちがそのことを予見して証券マンになったかというと
もちろんそんなことはありません。
運のいい人にはとても敵いません。


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