第280回
転職するまでに3年はかかります

創業者として大成功をした人でも
最初から独立して仕事をはじめたわけではありません。
学校出たての頃は西も東もわからないのですから、
先ず就職をします。
どこに就職するかは、人によっても違いますが、
偶然に左右されることが多いことは前にも述べました。

入社試験を受けて採用された会社に就職しますが、
自分が就職したいと思った会社に
就職できるとは限りません。
景気不景気や会社の方針によって、
その年、新入社員をたくさんとる会社もあれば、
ほんの少ししかとらない会社もあります。
たまたま面接をしてくれた人に気に入られることもあれば、
無視されてしまうこともあります。

しかも就職を希望する側が
将来どんな仕事を選ぶかはっきりしていて、
会社を選んでいるのなら、
新聞社なら新聞社だけ、テレビ局ならテレビ局だけ、
もしくは、商社なら商社だけに的をしぼればいいのですが、
大学や高校の卒業を間近に控えた世間知らずに
どんな職業が自分に向いているのか、
また将来性のある職業は何なのかわかる筈もありません。
従って受験する時も、商社、銀行、出版社、
電機メーカー、コンビニエンス・ストアと
お互いに何の関連もない会社を
出たとこ勝負で申し込む人が多いのです。

その結果、合格通知を受けた中から
気に入った会社を選んで入社します。
更に摩訶不思議なことは、
そうして偶然に選んだ会社に入ると、
よほど肌に合わないことでもない限りは
一生をその会社に委ね、
途中下車をする人が少ないことです。
ほんの一握りの人だけが
会社を辞めて転職するか、独立します。
転職する場合も独立する場合も、
いままでやって来た仕事の同業か、
周辺の事業にかかわることが多いようです。
もしそうだとすると、人の一生の職業は
偶然によって決定されることになります。
運を天に任せることにあきたりない人は
自分の意志によって軌道修正をしなければなりませんが、
そのためには少なくとも3年や5年はかかりますね。


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2000年12月15日(金)

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