第291回
台湾で足の裏マッサージが大ハヤリ

不景気だというのに海外渡航者は
軽く1600万人を突破し、新記録をつくっています。
これは不景気に反した現象というよりは、
世の中が変わって、お金の使い方に異変が起り、
旅行には気前よくお金を使うが、
物は買わなくなったから、
物を売るショウバイは不景気になってしまったのだと
考えた方が正しいでしょう。

ならば旅行をショウバイにすれば
お金が儲かるかというと、
ブームになるような分野には
多くの企業がひしめきあって猛然な競争をしますから、
利益の幅はうすくなり、
うっかりすると赤字経営になってしまいます。
たとえばパック旅行に参加する人はふえていますが、
業者間の競争が激甚ですから、
観光会社は軒並み赤字に苦しんでいます。
日本は運輸省の睨みがきいて長い間、
航空運賃が高値に維持されていましたが、
国際化の波に抗しきれず安売り切符が
横行するようになりました。

一頃、安売り切符は人気を集めて
旅行業界のドル箱だったこともありましたが、
安売りが更に安売りを呼び、
とうとうマージンが限りなくゼロに近づいて、
只働きに近いビジネスに墜ちてしまいました。
成長産業だからと言って、
有望産業とは限らないんですね。

それでも人の多く通るところにはお金が動きます。
お金の通らないところで釣竿を垂れているよりは、
お金が釣れる可能性は大きいのです。
安売り切符も駄目、ホテルも駄目、
パック旅行も駄目と来たら、
あとに何が残っているのでしょうか。
台湾に行くと、足の裏のマッサージが
とてもハヤっています。
殊に日本からの旅行者はガイドさんに案内されて行って
30分間、痛い思いをして苦痛を楽しんでいます。
土地の人は500元ですむところを、
900元とられていますが、
差額はガイドさんの身入りでしょう。
痛い思いをしたあとは
すっきりして気分爽快になるそうですが、
健康とか美容のためならお金を気前よく払うんですね。
大きな商売より小さな商売を考える時代かも知れません。


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2000年12月26日(火)

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