第296回
さよなら、失業の日本よ

世の中は不景気で、やっと恢復に向ったと思ったら、
またマイナス成長におちこんだと報じられていますが、
私の知っている会社の社長さんたちは
みな人材不足を私に訴えています。
私の顔を見るなり、
Q先生、いい人を見つけて下さいよ、と私に頼みます。

たとえば、私が
「海外に進出しないと乗り遅れますよ」
というと、すぐにも
「そういう人材がいないんですよ。
 誰か世話してくれませんか」
という返事がかえってきます。
また
「しっかりした財務担当がいないとダメですね」
というと、
「来年の上場を控えて私もそれで困っているんです。
 銀行に言えばすぐにも人をくれますが、
 銀行の人では使い物にならなくってねえ」
「なるほど」
とこちらも思わず相槌を打ってしまいます。

また営業が弱体なために
すぐにも業績が倍になるベンチャーが
もたもたしているのを見て
「若くて未経験でもいいから、
 やる気のある営業責任者を探したらどうですか」
と言うと、
「それがなかなか見つからないんですよ。
 先生、探して下さいませんか」
と逆に向うがこちらをあてにしてしまう。

ハロー・ワークは人に溢れているというのに、
私の周囲の社長さんたちは
みな人材不足で頭を抱いているんです。
こんなに人がたくさんいるのに、
人がいないということはないでしょう。
潜在的失業者の大群の中に、役に立つ人がかくれているか、
埋もれているに違いありません。
ならば掘り起こせばいいのだから、
掘り起こす方も掘り起こしてもらう方も
出し惜しみをしていてははじまりません。

私は10年も前にアジア中どこに行っても
通用する人材を集めるために
邱永漢アジア交流センターというのを
つくったことがあります。
人を欲しがる企業も、職を欲しがる人も
これだけふえたのですから、
漸く舞台がまわってきたような気もしてきました。
さてきょうで20世紀は終わりです。
さよなら失業の日本!
明日からいい世紀になりますように。


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2000年12月31日(日)

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