第328回
ニュー・エコノミーも一休みでしょう

アメリカの好景気が10年も続いたのは、
IT関連の業界の成長によって
新しい付加価値が生み出され、
ニュー・エコノミーだけでなく、
オールド・エコノミーにもお金の儲かるチャンスが
生じたからだと思います。

パソコンやインターネットは
いままでになかった技術ですから、
それによって生み出されたハードやソフトは
人々がそれに喜んでお金を払う限り、
新しい付加価値をもたらします。
しかし、新製品を買ってもらっただけで
好況はそんなには長く続きません。
パソコンやインターネットの出現によって、
販売システムとか生産工程に
コストダウンのチャンスが生まれ、
新しい利益が次々と実現したからこそ、
好況が波及効果をもたらし、
好景気が10年にもわたって持続したと
考えるべきでしょう。

もちろん、景気を持続させるための仕掛けが
いくつもありました。
貿易収支が大赤字であったにも拘らず、
「強いドル」政策を強引に続けたおかげで
世界中に支払ったドルがそのまま手つかずで
アメリカに戻ってきました。
ドルが下がり気味であれば、
お金はアメリカから逃げ出そうとしますが、
ドルが強ければ、他国に渡ったドルは
そのまま高いレートでアメリカに戻ってきますから、
いくら赤字になっても資金不足にはなりません。
自分たちのお金だろうと他人様のお金だろうと、
お金が集まってきさえすれば、
株価は高値に維持され景気は持続します。

また新しいシステムを採用することによって
コスト・ダウンできれば、
それが雇用の減退を促す結果になっても、
新しい投資が続く限り、
新しい雇用が次々と生み出されるので
景気の後退にはつながりません。
それがアメリカの好況の寿命を延ばす
原動力になりましたが、
強いドルもITがもたらした好景気も
永遠に続くものではありません。
息切れしたところで、今度は裏目が出てきますから、
強いドルはやがて弱いドルに変わるでしょうし、
躍進し続けたIT産業も停滞期に入るでしょう。
少なくともアメリカでは一休みに入るところです。


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2001年2月1日(木)

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