第329回
不況対策では日本の方が先輩です

アメリカでは恐らく2世帯に1世帯は
株式投資をしているでしょう。
直接投資をしていなくとも、
投資信託を購入しているでしょう。
貯蓄はゼロという数字が出ていますから、
使わないお金は大半が株にまわっているし、
なかには年金まで担保に入れて
株で勝負に出ている人も少なくありません。
1回、株価が逆転して下降線に入ると、
ブレーキがかからなくなってしまう心配があります。

日本のような安定株主が少なく、
もっと下がるかも知れないという思惑が働くと、
あわててファンドを解約しようとしますから、
返済資金を調達するために
ファンドが投げ売りをせざるを得なくなり、
下げがまた下げを誘ってしまいます。
それを防ぐために金利を下げたり、
減税をしたり、さまざまの対策が講ぜられると思いますが、
下げるスピードを遅らせることはできたとしても、
その方向を変えることはできないでしょう。

株安の影響の受け方は人によって違いますが、
欲張って無理な投資をした人ほど打撃は大きく、
身動きができなくなって破産する人も現われるでしょう。
銀行が不良債権を抱え込むことも考えられます。
しかし、株価の落ち込みによる消費の減退は、
自動車や電気製品の売上げが半減するといった
極端なことにはなりません。
スーパーが在庫整理のために大安売りをしますが、
それは一時的な現象で、自動車の販売台数が5%も減ったら、
自動車メーカーにとってはそれなりに深刻なことです。
恐らくレイオフがはじまって失業者もふえるし、
不景気風が吹きすさぶようになるでしょう。

そうなると、日本はもっと不景気になると
思うかも知れませんが、
不景気になるのは日本の方が大先輩で、
もう10年も不景気で鍛えられております。
不景気になったら、どう暮らしたらいいかという要領も
日本人は覚えました。
アメリカに比べれば、最悪のところは通りすぎて
少しずつですが、恢復過程に入ってきています。
不況対策では日本の方が先輩なんですよ。


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2001年2月2日(金)

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