第332回
肝っ玉のある人だけで行きましょう

中国でイタリア料理屋をひらくのなら、
西洋文化の浸透して行く順序から言って、
上海、北京、広州というのが常識でしょうね。
私の出番ではないのですが、
そういう目で見ていると、上海ならこのあたり、
北京ならこのあたり、こんなスタイルの店づくりをしたら、
若い人たちが集まって繁盛するだろうな、
とつい空想を逞しくしてしまいます。

北京市の朝陽区の大使館街に隣接して三里屯という
若い人の集まるレストラン街があります。
ちんとしたイタリアン・レストランは1軒もないのですが、
イタリアンもどきの店なら何軒かあります。
こんなところに日本のようなイタリア料理屋をひらいたら
ハヤるだろうねと考えて
店探しまでやってもらったことがあります。
やってくれる人のあてもないのに店探しまでやるのも
おかしな話ですね。
でもそれが私の趣味なんです。
ほかの人がそれをやってうまく成功したら
「それ見ろ、僕が考えた通りだろう」
と嬉しくなるのです。

ところが、つい最近、この三里屯通りに行って見たら、
両側に軒を並べていたレストランが
すっかり取り払われていました。
中国は土地はすべて国のものであり、
新しい都市計画ができると、有無を言わさず
強制立ちのきをさせられるんです。
土地の借地権を政府から買収して
鉄筋の半恒久的な建物でも建てない限り
人の口車に乗ってうっかり権利金を買って
店づくりなどしたら、
折角やったインテリアがパアになって
泣き寝入りになってしまいます。

中国で仕事をやる難しさはそういうところにあります。
私などはお役所の偉い人と
直接談判をして投資をすすめてきましたが、
それでもトラブルは絶えません。
ならばやらない方がいいと言うことになりますが、
法律がきちんと整って、
皆がそれを守るようになってからでは遅いんです。
処女地の開発とはハラハラしながらやるものなのです。
杓子定規にしか物の考えられない人は
日本以外のアジアの国々になんか行かないことです。
それでも平気だという人だけご一緒することにしましょう。


←前回記事へ

2001年2月5日(月)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ