第343回
上海に乗り込んだ10年後のあなたは

北朝鮮の金正日が突然、思い立って
上海と深の見学に行ったことが
新聞に報道されていました。
外国の元首が来れば、北京で会見するのがきまりですが、
北京をすっとばしていきなり上海に行きたいという
たっての希望なので、江沢民も朱容
わざわざ上海まで飛んで歓待しております。

金正日は上海の浦東地区を見学して、
「上海をモデルにした開発区を北朝鮮にもつくりたい」
と語ったそうですが、
もっと早くにそういう気を起していたら、
北朝鮮の経済はもう少し発展していたでしょうし、
国民を飢餓に追い込んだ食糧のピンチから
解放されてもいたでしょう。
でも思い立ったが吉日ですから
いつはじめても遅すぎるということはございません。
ただ上に立つ人がその気を起さないと
何事も自然発生的にははじまらない体制に
問題はありますね。

北朝鮮のような国で経済を発展させようと思えば、
上海の浦東開発区が理想的なモデルになることは確かです。
10年前、私がはじめて訪れた時、
浦東にはやっと釣り橋がかかっただけで、
ビルらしいビルは1軒も建っていませんでした。
私と八百半が土地を買ってはじめたくらいなもので、
結局、私のビルが一足早く建ちましたが、
いまでは似たような高層建築が
200棟以上も林立しています。

工業団地も保税区もありますし、飛行場もできたし、
地下鉄も開通しました。
10年前、野っ原だったところが
近代都市になってしまったのですから、
「10年たったら、様相一変しますよ」
と私が予言した通りになりました。
しかし、完成したのは容れ物だけで、
魂はまだ完全に吹き込まれているとは言えません。
上海が世界一の大都会として名実共に充実するのは
まだこれから先のことです。
地価だっていまの10倍にはなるでしょうし、
株価や取引高もいまの10倍になるのは
わけはないでしょう。
そういうところにのこのこ乗り込んだあなたが
10年後にどうなっているかについても、
まだ何もきまっていないのです。


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2001年2月16日(金)

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