第351回
インターネットにも経営学は必要です

いつの時代にも産業界の選手交替がありますが、
変化の激しい時ほどそれが目立ちます。
ダイエーの創業者が第一線を退いたり、
そごうの中興の祖がボロクソに言われたり、
マイカルの社長が不本意な辞め方をさせられたりしたのは、
流通業界に大きな変化が来ているということに
ほかなりません。

そういうことは40年前にもありました。
いま選手を下ろされている人たちが
それ以前の選手と交替したのは
ちょうどヤミ屋の時代が終わった時なんです。
中内功さんや水島広雄さんたちが登場してきた頃は、
社会的に資本の欠乏していた時代でしたから、
新しく創業をする人は
四苦八苦して金ぐりをしなければなりませんでした。
なるべく支払いを遅らせるために手形を活用したし、
受取り手形を換金して急場の支払いに間に合わせるために
銀行に三拝九拝しなければなりませんでした。
銀行の社長や重役は自分のお金でもないのに、
お金を貸す立場にあったので、
とても大きな顔ができたのです。

それに比べると、いまの銀行は
貸す対象にも貸すお金にも困っていますが、
社会資本が豊かになったので、
創業者に資本がなくとも
将来性のあるプロジェクトでありさえすれば、
ベンチャー・キャピタルがすぐ動いてくれるし、
また株を上場すると信じられないくらいプレミアがついて
巨額の資金が集まってきます。
ベンチャーとはもともと夢を買うことですが、
夢にうかされてお金を出して見ると、
実は夢にすぎなかったことがわかって、
ふくらんだ風船が破裂することが
再三ならず起るようになりました。

いまはベンチャー・キャピタルもアツモノにこりて
ナマスを吹く段階にありますので、
新しいベンチャー・ビジネスは
茨の道にさしかかっていますが、
本当はこっちが正常なプロセスと言ってよいでしょうね。

インターネットに仮想店舗をひらいたらすぐ
商売になるようだったら、
千軍万馬のセールスマンが泣きます。


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2001年2月24日(土)

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