第363回
逃げ惑う臆病なお金をうまく捌けますか

10年続いたアメリカの好景気が
昨年の下半期から頭打ちになって、
今年に入って2回も続けて金利が引き下げられ、
それが世界中の株式市場に影響をあたえています。
日本の株式市場も例外ではありません。

ダウが1万3千円を割ると、
日本の銀行や保険会社の保有する
株式の含み益がゼロになり、
大へんなことになると言われています。
それに対する政府や日銀の対策もタイミングを失し、
折角、回復のきざしを見せていたのが
再び暗転してしまいました。
それに森内閣の不人気が重なって、
日本国中が重苦しい空気に包まれています。

一体、日本はどうなるのでしょうか。
日本の内需が落ち込んでいるのは事実ですが、
それは皆が用心してお金を使わなくなっているからです。
お金を使わなくとも、日本の輸出は大幅黒字だし、
使わないお金は貯蓄にまわされています。
それに対してアメリカでは国民の貯金がゼロ、
お金を借りて株に投じたのがマイナスになると、
家計が赤字になって
使いたいお金も使えなくなるのですから、
どちらが深刻なのでしょうか。

日本やそのほかの国で貯蓄されたお金がアメリカにまわって
アメリカの株価を支えてきましたが、
ここへ来てアメリカの企業の業績が悪化すると、
海外から流れ込んでいた資金も
いつまでも株式市場を支えていてはくれないでしょう。
株を売って手じまいする資金もあるでしょうが、
貸しているお金なら
足元の明るいうちに引き揚げにかかるでしょう。
そうなると逃げ遅れた資金は
大幅な損失を抱えることになりますから、
倒産する個人もあれば、基金もあります。
日本がアメリカの後を追うのではなくて、
日本の後をアメリカが追うような形が考えられます。

前にも書いたことですが、
グリーンスパンさんのこれから打つ手が見ものです。
ソフト・ランディングができたら拍手喝采ものですが、
逃げ惑う臆病なお金をコントロールするのは
そう簡単には行きませんね。


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2001年3月8日(木)

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