第364回
銀行株はまだ買ってはいけません

日本の銀行はみな四苦八苦ですね。
市中銀行から信用金庫に至るまでどこもお先真っ暗で、
審査部が大手をとるので、出先の支店長や融資課長は
子供の使いみたいな役割をさせられています。

試みに申し込みをしてみました。
担保物件もあるし、返済の資源もある。
但し、大手をとって返済は10年の分割払いにすると、
長すぎるし、それに今時、
海外投資の資金など貸せないと断られました。
同じ担保物件でバブルの頃は30億円借りられたのが
いまはその10分の1です。
それでも断るとなると、
中小企業は昔の10分の1のスケールの仕事も
できないことになります。

お金を貸して利息をもらわないと収入にならない銀行は
一体、誰にお金を貸すのでしょうか。
考えられることは担保をとらなくとも潰れる心配のない
一流の上場会社の融資に応ずることです。
万一、そういう会社が潰れても
審査部の責任にならないことを
一番発言権の強い審査部が考えているのです。
中小企業の新しい仕事の芽はすべてむしりとって、
社債の発行のできる一流会社の御用を
うけたまわるだけということになれば、
日本経済はますます縮小する方向に向うより
ほかなくなります。
それがいまの日本の銀行のやり方だし、
政府の経済政策だということにもなります。

縮小するところまで縮小して、
あとは経済界のしぜん恢復を待つということになれば、
不良債権は更にふえて、
銀行の業績はまだ底をついていないということでしょう。
ですから、少なくとも銀行株はまだ買えません。
かくしてある不良債権もあれば、
これから新しく発生する不良債権もありますから、
銀行株、不動産株、建設株は
投資の対象にはまだなりません。

しかし、株はだれも買う気をおこさない時に
買うものだという原則があります。
みんなが見捨てている株の中に
次の上昇期に大きく化ける株が必ずあるものです。
それを探す時期に来ていることに
間違いがないのも事実です。


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2001年3月9日(金)

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