第386回
人生は期限つきで上手に生きよう

期限をきめると、まだまだ先のことだと思っていても、
必ずその日が来てしまうものです。
「77才で死にたい」と私が書いたのは
11年前から9年前までの雑誌連載をした時ですが、
あっという間にその期限は来てしまいました。
だから期限を決めて物事に対処することについては
いい面もあれば、悪い面もあります。

30才になるまでに500万円貯めたいとか、
35才までに独立したいとか、
期限を切って目標を定めると、
意志の堅い人は
それを実現するために必死の努力をします。
結果としては考えたことが実現することになります。
一ぺんそれが実現すると、
また次の目標に向かって時間の設定をしますから、
どうしても時間を有効に使うようになります。
人生というのは一口で言えば、
「生きている時間」のことですから、
時間を有効に使うかどうかで一生が決まってしまいます。

イギリスが香港を領有するようになったのは、
アヘン戦争という
あまり自慢にならない戦争に勝った結果ですが、
当時、海賊の出没する漁村だったところを開発すると、
すぐ対岸の九龍半島の地続きの土地の必要を
痛感するようになりました。
と言ってまた戦争をしかけて
他国の土地を占領する理由がなかったので、
99年を限って租借することにしました。
なぜ100年でなく99年かというと、
99はまだ先があるという意味です。

租借をする時は
まだ遠い遠い先のことと思ったのでしょうが、
期限を切った以上、どんな先のことと思っても
その時は必ず来ます。
150年もかかって建設した香港を
1997年に中国に変換しなければならなかったのは、
期限を切ったからです。
愛する人に
「死ぬまで愛する」と言うのと、
「いつまでも愛する」と言うのは
同じと思うかもしれませんが、厳密には違います。
その違いのわかる人なら
きっと時間の使い方にも神経を使うでしょう。
同じ1日でも、1日1日の使い方によって
人生が決まるというのが
77才の期限を越えた私の感想です。


←前回記事へ

2001年3月31日(土)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ