第399回
時間を中心に産業界を見直そう

心理的な時間の使い方にばかり言及してきましたが、
物理的な時間の使い方は
いまの時代を生きる上で重要なことです。
時間の節約ができれば、消費者は喜んでお金を払います。

デパートは商店街を一堂に集めたようなもので、
そこへ行けば生活の必要なものが
何でも買えるというのが魅力でした。
それに対してスーパーは
デパートや商店街で買物をするよりも
安い値段で買えるというお金の節約で
お客を魅きつけました。

その次に商店街の中にできたコンビニエンス・ストアは
その名の通り便利さが売り物ですが、
何が便利なのかというと、
すぐ近くにあるのと、
夜中まで営業しているので、俄に来客があったり、
残業の終った真夜中でも用が足せるということです。
つまり遠くまで足を運ばなくてもすむということと、
こちらが時間の調節をしなくともすむ
ということですから、
時間の節約が売り物ということになります。

すぐ近所にあれば、
何も遠くにあるデパートやスーパーまで
出かけなくてすみますから
コンビニができた分だけ
デパートやスーパーの売り上げが減ります。
その心理的な動機はと言えば、
物の魅力よりも時間の方が大切だと
多くの消費者たちが考えるようになったからです。
物がありあまるようになって、
物を買う魅力が失われたこともあります。
仕事や家事が忙しくて
わざわざ買物に出かけてはいられない
ということもあります。
またカタログを見て注文したら
わざわざ自分から出かけて行かなくともすむ
通信販売が発達したこともあります。
しかし、何と言っても成熟社会に入って
買物にそれほど心を動かされなくなったことが
最大の原因でしょう。

こうなると、時間の使い方に
人々の関心が向うようになります。
お金も大切ですが、時間の節約を中心とした視点で
産業界を再検討して見る必要があります。
もしかしたら大発見があるかも知れませんよ。


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2001年4月13日(金)

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