第398回
時々1人になる時間が必要です

時間のたっぷりある人でも、
多忙をきわめて時間の不足に悩んでいる人でも、
1人っきりでいる時間は必要だと思います。
とりわけ忙しい人ほど1人になっている時間は必要です。
1人になれば、自分の生き方について
反省する時間ができるからです。

私は1人で食卓に向うのが嫌いで、
いつも誰かと一緒に食事をします。
家内がいなかったり、自分が旅に出ている時でも、
わざわざ人を招んで食事のつきあいをしてもらいます。
おしゃべりをしながら、食べる物を口に運ばないと、
どんな素晴らしい料理もおいしいと感じないからです。

そういう私でも、
わざわざ1人っきになる時間をつくっています。
もともと原稿を書く時や読書をする時は1人ですから、
1人になっている時間は
普通の人よりずっと長いのですが、
人に会わないで物を考えるために
1人になる時間をつくっています。
最近で言えば、北京にいる時と香港にいる時が
私のプライベイトの時間です。

東京にいる時と台湾にいる時は、
朝から晩までお客さんだし、上海にいる時はいつも
3日間しかいないこともあるけれど、
いまに世界一の大都会になると思っているので、
この目で見たいものがたくさんあり、
ジッとしているひまがありません。
その点、香港はもう盛りをすぎた姥桜のような港町だし、
北京は官僚制度でがんじがらめになった
過去型の首都だから、
前を向くより後ろを向いて生きて行けます。
その分、人に会う機会は少なくてすみます。

そうは言っても、それぞれの特長があって
色々と考えさせられることも多いので、
1人になって自分のことだけでなく、
中国の越し方、アジアの行く末について熟慮するには
絶好の場所なんですね。
物事を考えるのに、いちいち場所を変えるのは
贅沢の極みなんですが、
もちろん、そうしなければならない理由はありません。
時々、1人になる時間さえあればどんな忙しい人でも
心の余裕を取り戻すことはできると思います。


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2001年4月12日(木)

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