第415回
生活者は設計者の犠牲になるな

豪邸でなくともいいから、
使い勝手のよい家とはどんな家でしょうか。

もちろん、人によって
生活の重点のおかれているところが違いますから、
使い勝手のよい悪いも、人によって違いますが、
私の家で言えば、私の書庫とか、家内の温室は別として、
キッチンとトイレと収納庫がうまくできていないと、
その度に設計者に文句をつけたくなります。
また照明のつけかえや冷暖房にお金がかかりすぎる時も
設計者を恨みたくなります。
東京の家の私の寝室はカッコよく見せるために
窓に出入りがあるので、
カーテンをあけ閉めするのに手間がかかります。
毎日、その度に設計者の奴め、
と何十年も恨み続けていますから、
建築家もたまったものじゃありませんね。

私は何回もそういう目にあっていますので、
デザイナーはカッコばかり考えて、
生活者としては落第だなと思っています。
家を建てる時はプロの意見に従った方がいいと考えて
つい建築家やインテリア・デザイナーに任せてしまいますが、
その犠牲にならないように気をつける必要があります。

たとえば、私の家では玄関に天井まで届く
靴の戸棚をつくってもらっています。
下駄を履く人なんかいなくなったのに、
いまも下駄箱では靴を収納しきれませんものね。
また野菜を炒めるのに高熱でないと
青いままきれいに仕上がらないので、
うちの台所では業務用のガスレンジを使っています。
ガスの配管も太いものを入れないと間に合いません。
またトイレが規格サイズでは毎日がうっとうしいので、
思いっきりスペースをとって奮発して大理石で
贅沢につくってあります。

それでも被害者意識がなくなりませんから
設計者はストレス解消のための存在かも知れません。
でも使い勝手のよい家を目指すのなら、
そんなに莫大なお金がかかるわけではありませんから、
一生かかっても達成できないということはありません。
家の中の改造をするだけで、
自分の理想に近づけることはできます。


←前回記事へ

2001年4月29日(日)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ