第425回
コンペイトもタネになる胡麻が必要です

お金儲けをしたことのない人は、
自分がお金を儲けられないのは
自分に元手にするお金がないからだと考えがちです。
現にお金儲けをしている人をはたから見ていると、
やりたいと思っている
工場やお店をはじめるだけのお金がすぐに調達できるし、
スイスイと何でもうまく行きそう見えます。

しかし、そういう元手を自分で持っている人でも、
またすぐにも集められる人でも
はじめからそういう立場にいるわけではありません。
和歌山の田舎から自転車屋の丁稚小僧として
大阪に出てきた松下幸之助さんが
最初から松下電器の工場をつくるだけの資金を
持っていたわけもないし、
オートバイの修理工場で働いていた本田宗一郎さんが
本田技研を創業するだけの
資金に恵まれていた筈もありません。
無いお金をやりくりして
何とか潰れないですむだけの支払いをし、
何回もピンチを切り抜けた末に、
日本を代表する大企業に成長して行ったのです。
無いお金ではじめるのが事業なんです。

しかし、それにしても、取引先とか、
店を貸してくれた家主さんとか、
周囲にいて手伝ってくれた人たちに信用され、
「あいつのためならできるだけのことをやってやれ」
という気を起こしてもらわなければ、
とても成功者としてのゴールまでは辿りつけません。
そのためには約束は守るとか、
寝食を忘れて働くとか、義理人情に厚いとか、
人に好かれる資質が必要なことは言うまでもありませんが、
そういう資質がすべて揃っていたとしても、
コンペイトのタネになる
胡麻の一粒くらいの自己資金は必要です。
貯蓄の精神がないと、コスト意識は育たないし、
コスト意識がないと事業家として成功できないからです。

最初の資金の大半は
知人や先輩や親戚に出してもらうとしても、
たとえ100万円でも自己資金のない人に
出資者は安心して仕事を任せてはくれません。
将来、独立をしたい人は
先ず資金にするための貯金からはじめることです。


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2001年5月9日(水)

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