第430回
日本企業に鎖国令を発令したら

私は毎月のように大陸に行きますので、
上海、北京、成都でも必ずのようにデパートを覗きます。
この数年に工場生産が
信じられないくらい前進しましたので、
どこのデパートも商品で溢れています。
人々の着ている衣料品も見違えるほど立派になったし、
スーパーの食料品売場もすっかり充実してきました。

ユニクロで売っているような繊維製品は
ユニクロの半分か、3分の1の値段です。
しかし、それをそのまま日本に持って来ても売れません。
国によって住んでいる人たちの好みが違うし、
文化のレベルというのもあります。
ユニクロが成功したのは、
そうした安いコストを利用して
日本人の好みにあったデザインの衣料品を
日本でデザインし、現地できびしい生産管理の下で
日本の消費者に受け入れられるレベルの製品を
つくるようになったからです。

おかげで信じられないくらいの収益として
計上できるようになりましたが、
手放しで我が世の春を謳歌してはおられません。
すぐに真似する人が現われるし、ライバルは多いし、
プロジェクトそのものが
消費者からあきられることもあるからです。

その点、タオルは流行性の少ない
日用の消耗品ということもありますが、
早くから私の目についていました。
安い物もたくさんありますが、
日本に負けない品質の物が
日本の半値から3分の1の値段で売られています。
そのことを私に教えてくれたのは前に上海の
八百半デパートの総経理(社長)をやっていた人でした。
四国の名だたるタオル・メーカーが
次々と大陸に進出して現地生産をはじめたのだそうです。

最近、急速に日本への輸出が激増したから
セーフガードをかけると話題になっていますが、
大陸で生産しているのも、
日本に輸出しているのも日本のメーカーなんです。
日本人の同業者どうしで競争しているのに、
中国政府と何のかかわりがあるのでしょうか。
進取の気性のある業者に高い関税をかけるくらいなら、
いっそ日本企業の海外進出を禁止したらどうでしょうか。


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2001年5月14日(月)

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