第447回
デフレに必ず足をとられます

景気が悪くなったのなら、
景気を恢復させるように仕向ければよいと
大抵の人は考えます。
いままではそういうやり方で
経済を建て直すことができました。

しかし、人類未踏破の
工業的な豊作貧乏に突入したのだとすれば、
公共投資を前倒しにしたり、
金利を引き下げたりしたくらいのことでは
景気は恢復する見込みがなくなってしまいました。
政府のお役人さんやそれぞれのポジションにいる
経済のエキスパートの人たちも
過去の経験をもとにして世の中の動きを見ていますから、
過去に効果のあった処方で景気を刺激しようとします。
何十兆円投じても、金利をゼロにしても
一向に効き目が現われないのは、
過去に経験したことのない症状に見舞われている証拠です。

アメリカ人もそのことに気づいていません。
アメリカ人も経験したことのないことだからです。
そこで、日本政府は内需を刺激する努力を怠っていると
非難していますが、
もうお腹が一杯だという人に、
もう一膳食べろとすすめても、
誰も言うことをきいてくれません。
ましてや高速道路をつくるから、
そこからこぼれてきたお金で
もう一杯メシを食えと言っても、
言うことをきいてくれる人がいるわけがありません。

アメリカ人が日本政府の尻を叩こうと、
日本の総理が構造改革を唱えようと、
人々にお金を使う気を起させない限り、
内需がふえる可能性はないのです。
一旦、豊作貧乏が定着したら、
需要がふえてもそれをカバーすることは
たちどころにできますから、
過剰生産の状態から脱け出すことができなくなります。
物が溢れるようになると誰もふり向かなくなります。
人目をひくような新商品をつくり出すか、
人より安く売るか、2つに1つしかありませんが、
人より安く売るのが天下の大勢になることは
避けられないでしょう。
するとデフレの泥沼が待ちかまえています。
デフレとうまくつきあって行く必要があるんです。


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2001年5月31日(木)

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