第461回
「商売の原則」(文庫版)が出版されました

「株の原則」「お金の原則」に続いて
「商売の原則」が光文社の「知恵の森文庫」の一冊として
本屋の店頭に並びました。
この本はもともと邱永漢原則シリーズの一冊として
ごま書房から出版されたものです。
特別、難しいことが書いてあるわけではありません。

サラリーマンをやっている人なら誰だって
一度はサラリーマンなどサラリとやめて、
自分で独立して商売をやりたい
と考えたことがあるでしょう。
なかには念願として毎日毎日考えて、
遂にそれを実行に移した人もあると思います。
でもサラリーマンをやめて成功できる可能性は
そんなに多くはありません。
うまく行けば、サラリーマンをしている時の三倍くらいの
収入があるようになりますが、
その代わり、十倍以上も働かされます。
いままでサラリーをもらっていたのが、
サラリーを払う立場になるのですから、
気苦労も多いし、働く人たちに対する評価の仕方も
変わってしまいます。

でも商売をやるのにプロである必要はありません。
プロは過去において経験を積んだということであって、
過去の経験は未来を量る物差しにはならないのです。
経験のある人は自分の経験の延長線上で
物を考えてます。
ところが、未来は過去と同じものではありませんから、
そのままでは見当違いになることが多いんです。
とりわけ過去において成功した実績のある人ほど
自分の考え方に固執しますから、始末が悪いようです。

そういうプロよりも、いっそシロウトが集まって、
シロウトなりに創意工夫して
新しい道を切りひらいて行く方が効果があがります。
また人が商売に成功したのを見て、
「あの人は元手があったからうまく行ったのだ」
と思うのも間違いです。
元手がある人は元手のない人より
損をするチャンスに曝されているのです。
ひそかに独立して商売をやりたいと考えている人は
ぜひ読んで見てください。
大切なことですが、
考えて見ればみな当たり前のことしか書いてありませんが。


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2001年6月14日(木)

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