第462回
深夜特急から速戦即決の人生がはじまる

旅行は人生の楽しみの一つです。
ファーストに乗って、
飛行場にはロールス・ロイスで迎えに来てもらう
大名旅行も悪くはありませんが、
リュックと運動靴でバスにとび乗る貧乏旅行も
なかなか心に残るものです。

この前の、私の誕生日においでいただいた
ユニクロの柳井正さんご夫妻に、
お隣は誰がいいですかときいたら、
「ぼくは沢木耕太郎さんのファンですから、
 沢木さんのお隣に座らせて下さい」
と注文がありました。
きっと、柳井さんも
「深夜特急」の愛読者だったに違いありません。

そう言う私も「深夜特急」を読んだのがきっかけで、
沢木さんと親しくつきあうようになったのです。

旅行好きの私は
いまも年に120回くらい飛行機に乗っていますが、
人を採用する時も
学生時代に貧乏旅行をした経験のある人を
優先的に選びます。
自ら選んで
見知らぬ世界にとびこむだけの好奇心を持った人は
行動力があって、
知識を吸収したり知恵を働かせたりするのも
早いに違いないと思うからです。

しかし、社会に出てからも
いつまでも貧乏旅行ということはないでしょう。
生活にゆとりがあるようになれば、
お金は使うものです。
とりわけ旅行に出かける時くらい
「金持ち気分で海外旅行」
(これは私の書いた本のタイトルですが)
をするに限ります。
人生は生きている時間のことですから、
思い立った時にすぐやらないと
たちまち終わってしまいます。

ですから旅行に行きたいと思ったら、すぐに行くことです。
旅先で買いたいものがあったら、すぐに買うことです。
まだこの町に3日間滞在しているから、
よく考えて買いたくなったら
もう一度、出かけてくればよいなどと、
ゆめゆめ考えてはいけません。
ほかのことに取りまぎれて
決して戻ってくることはないというのが
旅行を数こなしてきた私の体験です。
旅先では何でも速戦即決が要求されるので、
それが習い性になると、
宿題をあとに残すような生き方はしなくなるものです。


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2001年6月15日(金)

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