第478回
君は運転手で、僕はお客です

コンピュータも、それをうまく応用したインターネットも、
人類にとって画期的な発見の1つだと私は思っています。
かつて蒸気機関がそうでした。
自動車も電話も飛行機もテレビもみなそうです。
新しい発見や発明がなされると、
人類の生活に大きな変化がもたらされます。

馬車から鉄道に変わった時もそうでしたが、
自動車の発明はもっと大きな変化をもたらしました。
人間も荷物も自動車に載せて運ぶようになり、
自動車が足の代わりをするようになったのですから。

おかげで人間の歩行能力は大きく退化し、
ゴルフ場やジムで訓練しなければ
その機能を維持できなくなってしまいました。
それと同じようにコンピュータの出現によって、
人間の記憶装置は
うんと性能が衰えてしまうかも知れません。
さしあたり難しい漢字が書けなくなった人は
うんとふえています。

自動車が発明された時もそうでしたが、
新しい乗物ができると、
人間は何でもかんでも積み込もうとします。
でも載せられるものもあれば、
うまく載せられないものもあります。
今日では乗用車とバスはそれぞれ別の働きをします。
同じ貨車でも、トラックと冷凍車とコンテナ車と
化学薬品やガソリンの運搬車は違ったものです。
用途によって使える物と使えないものがあり、
乗り物だから何でも載せられるということはありません。
使っているうちに、その区別がだんだんついてくるのです。

インターネットは情報を載せて
瞬時に運ぶ新しい乗物ですが、
新しいだけに何でも載せようとする人たちが
わんさわんさと押しかけて、
エンストしたり、積載量がオーバーしたりして
大混乱をきたしています。
情報を載せるところに、商品や商店まで載せたら、
うまく動いてくれないにきまっています。
私はインターネットの運転手ではなくて、
後ろの席に乗っているお客です。
運転手が間違った方向に向って運転すると
すぐ口出しをしたくなってしまいます。


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2001年7月1日(日)

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