第486回
中国が金メダルを独占するわけ

人口の多いのは食べさせるだけでも大へんですが、
いいこともあります。
毛沢東は原子爆弾をおとされても
生き残れるといいましたが、
私なら「特別に体育の奨励をしなくとも、
オリンピックで金メダルをたくさんもらえます」
と言いたくなります。

なぜだかわかりますか、オリンピックやアジア大会で、
中国が金メダルを独占しているのを見て
頭をかしげたことが何回もありました。
毎月のように中国大陸に行ってさまざまの人に会い、
いろんな光景にぶつかるようになって
漸くその謎がとけました。
国民性とか、風俗習慣は国によって違いますが、
どこの国に行っても、100人の人がいると、
リコウは何人いて、バカは何人いて、セッカチは何人いて、
大食いは何人いるというのが大体、きまっているんです。

たとえば私は京劇が好きで、
北京にいる時はよく聴劇に行きます。
(京劇は見に行くと言わずに、聴きに行くと言います)
或る時、京劇学校の卒業記念公演があり、
そこへ行ったら、若い卒業生が白い髭をつけて
老生(ラオシエン)をやっていました。
20才前の若い男の子では歩き方が元気よすぎて
とても年寄りになっていませんが、
美声は生まれつきですから、
かつての梅蘭芳とか馬連良とかいった名優に
少しも劣りません。
つまり人数がこれだけたくさんいると、
声がいいのがどれだけいるかも大体きまっているのです。

京劇も後継ぎに困らないように、
体操のうまいのも、水泳がうまいのも、
またピンポンやレスリングの天才だって
人口に比例しただけたくさんいるのです。
日本の10倍の人口がおれば、日本の10倍は
それぞれの分野で秀いでたスポーツマンがいて、
その中から更にすぐれたのを選り出せば、
金メダルくらいわけないということになります。

これはオリンピックとか京劇の世界に
限られたことではありません。
学問の分野でもIT分野でも
同じことが起っているんです。


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2001年7月9日(月)

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