第485回
なぜ人口と言うか知っていますか

人数を算える時、人口という言葉を使います。
日本の人口は1億2000万人、
中国の場合は公称12億人だけれど、
登録もれの人口もあるから、
実際は14億人くらいじゃないかと言われています。

頭で勘定したら人頭、
身体で勘定したら人体とでも言うところを、
人口というのは人間の数だけ1つずつ口があって、
それを食わせるだけでも大へんだという認識が
昔からあったらからです。
王様になった人はその領内に多くの人民を抱えておれば、
強国ということになりましたが、
領民が多いということはその口の数だけ
メシを食わせなければなりませんから、
頭の痛いことでした。
口はいつも食べる物を求めていますが、
食べる物が詰まっていない時は、必ず文句を言います。
食べているか、文句を言ってるかのどちらかですから、
人口が多いと、その一人一人の口を満足させるだけでも
大へんなことです。

中国はもっと民主化するべきだ
という意見をよくききますが、
14億の人に勝手気儘に自己を主張させたら
収拾がつかなくなるという意見もあります。
国父と呼ばれた孫文には
「三民主義」という本もありますが、
自分が実際に政治にたずさわって見て、
将来はそうなることが望ましいとしても、
いまの段階ではまだ早すぎると意見を述べています。
教育とか生活の水準から見て、
いきなりそこまで行けない
というのが恐らくいまの中国の指導者たちの
本音でもありましょう。

先ず腹一杯にしてあげるというのが
さしあたりの政治の目標です。
文化大革命の頃は何百万人もの人が餓死したのですから、
あの頃に比べれば、たとえ失業はしても
餓死しなくなっただけでも格段の進歩です。
ともかく食えるようになったことで、
中国の人たちはとても満足しています。
よく中国の政治の後進性や共産党の腐敗が
問題になりますが、
折角メシが食わせてもらえるようになったのに、
いまの政府は要らないと考える中国人は
ほとんどいないと言ってよいでしょう。
中国に対する理解はそのへんからはじまるといいですね。


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2001年7月8日(日)

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