第491回
人口の多いのには敵いません

大きな会社は苦境におちいった時、
そこで働いている人たちを養うだけでも大へんですが、
順調に推移している時は、
大きいだけのメリットがあります。
とりわけ業績が順調でお金の儲かっている時は
サラリーを払うくらいのことは
大したことではありませんから、
「大きいことはいいことだ」と
掛け声も大きくなります。

人口の多い国についても同じことが言えます。
一億二千万の人口は
かって日本の重荷になったことがありますが、
工業化がすすんで日本のGDPが年々増加してからは
少しも気にならなくなりました。
都会では労働者が集めきれなくなって、
わざわざ過疎地に工場をつくった時代があります。
人口が少くても失業者がなければ、
過剰人口ということはになりますし、
人口が多くても働き手を探がすのに苦労するようになれば、
人が足りないということになります。

中国は人口が多すぎて仕事がなく、
メシを食わせるだけでも大へんだというのが常識でした。
14億人の人口があっても、
支払能力のないのが大半だから、
14億人にだまされるなという意見もありました。

経済が未開の状態におかれていたら、
確かにその通りです。
でも経済が発展の軌道に乗り、
滑走路を走って上昇気流に乗るようになれば、
話は違ってきます。

いまはまだ外国の企業がドンドン中国に乗り込み、
日本の20分の1くらいのサラリーで働く人が
いくらでも集まるので、
生産基地としてのメリットしか
進出企業の人たちの頭の中にありませんが、
僅か10年で中国の都市労働者の収入は
三倍にもはねあがりました。
300元が1000元になった程度では
大したことはありませんが、
それを人口で掛けると決してバカにはなりません。

靴も買えなかった人が一人で靴を一足よけいに買うと、
それだけで14億足になるのです。
人口の多いことがプラスになる時は
おそろしいことになるものです。


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2001年7月14日(土)

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