第497回
言葉を覚えてチャンスをつかもう

いま日本に留学に来る中国の青年たちは
来る前にあいうえおからはじまって、
日本語の勉強も少しはしているし、
また日本の風俗習慣や礼儀作法について
一通り講義を受けているので、
大きな失態を演ずることはなくなりました。

それに比べると、日本人が外国語を覚えるチャンスは
そんなに多くないし、上達する確率も低いようです。
それというのも、島国であった上に長い間、
鎖国を続けた関係で、
外国人と接触するチャンスが少なかったせいもありますが、
日本人は仲間うちで助けあって生計を立てることが多く、
外国人に頼らなくてもメシが食えたからだと思います。

日本人が物づくりに成功して金持ちになり、
外国に旅行に行ったり、
外国に企業進出するようになってからは、
お金もたくさん使えるようになったし、
また人を使う立場になりましたから、
お金を払ってもらう側が日本語を覚えて
日本人のご機嫌をうかがうようになりました。
おかげで日本人の外国語は
ますます上達するチャンスを失ってしまいました。

しかし、これだけグローバル化がすすみ、
旅行に行くだけでなく、
相互に乗り入れて仕事をやるチャンスがふえると、
一方的に相手国の人に日本語を覚えてもらうだけでは
間に合わなくなってきました。
いままでのところは、
所得の高い国の言葉を所得の低い国の人が覚えれば、
所得のふえるチャンスが多いので、
たとえば中国人が日本語を熱心に勉強しましたが、
日本人はそうした環境の上にあぐらをかいていたら
大へんなことになります。

日本におれば、物価水準が高いので、
サラリーも他の国よりは高いでしょうが、
青年のやる仕事はなくなってしまいます。
収入だけでなく、闘志を燃やすような仕事がなくなれば、
志のある人は外国に出て行くよりほかないでしょう。
昔は「シナには4億の民がある」
と歌にうたわれていましたが、いまは14億人です。
その中にわだかまりなく入って行けることが
日本人の青年たちの新しいチャンスになる筈です。


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2001年7月20日(金)

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