第498回
さあ、中国語の勉強から始めましょう

いま私たちが中国語と呼んでいるのは、北京語のことです。
中国では普通話(プートンファー)と言います。
北京語の発音を標準語として採用し、
全国の人々がそれを喋ることによって
意志が疎通するようにしたのです。

辛亥革命の頃はまだどの言葉を標準にするか
きまっていませんでした。
あれだけ国土が広く、住んでいる人も多いと、
地方によって言葉も違い、お互いに話が通じません。
中国人同志が英語で話をするような場面も
しばしばありました。
清朝を打倒する革命に従事したのは広東省の人が多く、
その代表的な存在が孫文でした。
だから、広東人の多くは
広東語を国語にすべきだと主張していました。

しかし、国語にどの地方の言葉を採用すべきか
採決をしたのは孫文が死んでからあとのことでした。
採決した時、広東語は僅か2票の差で
北京語に敗れたそうですから、
広東の人たちは
「もし国父が生きていたら、
 我々の言葉が国語になっていた筈だ」
と言ってなかなか北京語を覚えようとしませんでした。
小平が広州に行った時、
「広東人ももう少し普通語の勉強をしなくっちゃ」
と尻を叩いた逸話が残っています。

中国はあれだけ人口の多いところですから
方言は数えきれないくらいたくさんあります。
北京語と上海語と福建語と広東語と客家語とでも
お互いにチンプンカンプンで
何を喋っているのかわかりません。
私はうちの家内とはふだん広東語で喋りますが、
台湾の部下たちとは南話という福建語で喋ります。
家内と喋っているのを台湾の部下がきいてもわからないし、
反対に台湾の部下と喋っているのを
家内がきいてもわかりません。
仕方がないので、
家内と台湾の部下たちとは北京語で喋ります。
すると、ちゃんと通じます。

テレビの発達は普通話を普及させるのに
大きな役割をはたしました。
だから日本人が中国語を勉強するとしたら、
北京語だけで間に合います。
さあ、元気を出して
四声の勉強からはじめることにしましょう。


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2001年7月21日(土)

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