第512回
お金を使う積りでマンションを買って下さい

東京の地価が下げどまったのは、
都心部の開発がはじまったからです。
景気が恢復に向いはじめたからではありません。
むしろ民間による都市開発がきっかけになって、
内需が少しずつですが、
復調になる可能性があります。

都心部の容積率が高くなって
(法律の改正だけですから、
 政府がお金を出す必要はありません)
過去の倍とか、3倍とか建物が建つようになれば、
土地の利用価値がふえるのですから、
地価が下げどまったり、
逆に値上がりしても不思議ではありません。
でも建坪当りの地価のコストは下がることになりますから、
できあがったマンションやオフィスの売値は
昔に比べて安くすみ、
デフレ時代の商売として有利に展開できます。
従来のマンション・メーカーだけでなく、
新規業者の参入がふえているそうですが、
新しいプロジェクトは新規業者によってもたらされるのは
自然な現象でしょう。

でもマンションの開発がはじまったからと言って
不動産が再び上昇過程に戻ることはあまり考えられません。
成長経済時代に地価が年々上昇したのは、
生産事業を中心とした経済活動が
年々新しい付加価値を生み出し、
そのお金が生産のできない限られた土地に流れたからです。
人々が住む家を欲しがったり、
オフィスも工場も新規の需要がありましたが
そうした需要を見込んで先廻りをした
先行投資もあったのです。

そうした動きが生産事業のもたらす付加価値の減少によって
消えてなくなってしまいました。
物が売れなくなれば、儲けがなくなってしまいますから、
付加価値は凋んで元へ戻りません。
すると、不動産に流れるお金が
なくなってしまったままですから、
マンションの実需はそんなに大きなものにはなりません。
新しいマンションで
採算に乗る利廻りを確保することは困難ですから、
より快適な生活をするために
お金を使う積りになって下さい。


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2001年8月4日(土)

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