第511回
ドーナッツ現象が再開発のきっかけに

外国から東京に来ると、
日本の首都が
とてもヘンな具合につくられていることに気づきます。
都市のド真ん中に
人のほとんど住んでいない銀座と丸の内があって、
毎日、郊外から人と荷物が
電車やトラックでそこへ運び込まれてきます。

人が仕事のために集まるのならわかりますが、
人のいないところに物を運んで来て、
買った物を持って
自分たちの住んでいる家まで運んで持って帰るのです。
休みになると、そこには人もいなければ、
人も集まってきません。
それでいて出勤時と退勤時は
ラッシュ・アワーになりますから、
電車が5両や6両では足りなくなり、
プラット・ホームから前も後もはみ出してしまいます。
そして、反対方向に走る電車はガラガラ空きなのです。

こうした都会をつくったのはお役人さんです。
実務経験のない人が机上の空論でつくったのです。
それもお金をかけて作ったものです。
お役人や古い体質の政治家に対する不信感が強くなって、
構造改革が叫ばれるようになったのも無理からぬことです。
でも改革しなければならないのは役所だけではありません。
税金を払う側の人も似たような考え方をしていたからこそ
長い間、異論が出なかったのです。

お金の流れだけは正直ですから、
人の住む方へすぐ動きます。
デパートはほとんどターミナル駅に移ってしまいましたし、
スーパーや商店街は住宅街の近くか、
駅前に集まっています。
一番最初にオフィス街が丸の内からお台場とか、品川とか、
家賃が安くてスペースがもっと広くとれるところに
移っています。
おかげで交通の最も便利なところが
ドーナツ現象を起して
人もオフィスもないところになってしまったのです。
そこに目をつけて、
長い間、不況であえいできた不動産会社が
再開発に乗り出してきています。
もしかしたら、そうした動きが地価の値下がり傾向に
ストップをかけることになるかも知れません。
要注意です。


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2001年8月3日(金)

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