第517回
セイフ・ガードの第一線を行く

セイフ・ガードが発令されて、
日本では葱や生椎茸や畳表の輸入に
高率の関税を課していますが、
中国でも報復措置として
貨物自動車や携帯電話に倍の税率を課すると発表しました。

葱や生椎茸は日本の業者が現地に行って
栽培の指導をしたもので、
畳表に至っては
中国人がふだん使うものではありませんから、
日本人が日本のマーケットだけのために開発したものです。
安いコストを求めて生産基地を移動するのは
デフレ時代にふさわしい行動ですから、
農作物だけでなく、
いまに工業生産の全分野に及ぶことになるでしょう。
日本の自動車メーカーだってコストの安い日本で生産して、
アメリカやヨーロッパに割り込んだのですから、
アメリカにセーフ・ガードを発令されても
文句が言えないことになります。

こんなやり方は不勉強な人の肩を持つようなものですから、
多分、長くは続かないでしょう。
むしろセーフ・ガードを発令されるような業界は
そうした制裁にどう対処しているか知りたいと思って、
今度の旅行はわざわざ足を伸ばして、
日本に大量に野菜の輸出をしている
山東省の現地に行ってきました。

農作物の日本への輸出基地は
台湾のコストが高くなったために、
台湾の業者がすぐお隣りに移動した福建省と、
もう1つは
海岸に近くて労働力の豊富な山東省の2つがあります。
たまたま中国の国内航空便に乗っていたら、
機内雑誌に日本に年に10億元(1元は15円)
野菜を冷凍もしくは加工して輸出している会社の
董事長の苦闘記が載っていました。

私の関心のあることだったので、
すぐに北京のオフィスから煙台市まで連絡をとって
アポイントメントをとってもらいました。
私がいまやっていることと何の関係もないのですが、
農業の将来にはとても関心があるし、
何でも知りたい、何でも見てやろうという好奇心が
働いたのです。
そうしたら、
思いもかけない勉強をさせられることになったのです。



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2001年8月9日(木)

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