第522回
シロウトが農業で成功する空間あり

山東省の菜加工の現場まで行って見て、
印象に残ったことがあります。
それはそういう日本人がほとんどいないところに行っても、
若い日本人が働くようになっているということです。

私が見ても、デフレ主流をなすようになる日本では、
いずれ農業も国際化します。
私が見学に行った冷凍食品業者は
いずれもウケに入っており、
あまり遠くない将来に、
いまの10倍のスケールの商売をやるようになるでしょう。
そういう匂いを嗅ぎつけて駆けつけたのかどうかは
知りませんが、
町を歩いても恐らく1人の日本人にも出会わないような
中国の田舎の工場にどこからともなく
若い日本の青年たちが10人近くも集まって、
作物のタネ蒔きからはじまって、
冷凍の現場から、荷物の積み出しまで、
要所要所で全くいままでやったことのない作業に
従事しているのです。

これはお金がたくさんもらえるから
やっていることではありません。
日本で失業したから
新しい職場を探して来たのでもありません。
いまの若い人の中には、大企業に就職して、
エスカレーターの前で順番を待っているような
出世コースにあきたりない人が多いのです。
そういう人がたった1人で、
もしくは同じ志を持った友だちと誘い合わせて、
自分の好きな仕事を探して
外国の人里離れた僻村まででも出かけてきたのです。

北京語は恐らく独学で
現地で必要に迫られて覚えたのでしょう。
自らすすんで選んだ仕事だけに、
研究熱心だし、言われたことをすぐに理解します。
日本国内は10年以上も沈滞が続き、
みな元気を失っていますが、
それに飽き足りない若者はいくらでもいるのです。
農業という最も古典的な職業の分野でさえ
工夫次第で大きな事業の展開できる空間が
ひらかれているのです。
しかもその扉をひらく人はいままで田を耕したり、
畑をいじってきた農民でない可能性の方が
大きいのですから、
世の中は面白いと思いませんか。



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2001年8月14日(火)

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